無落雪屋根の仕組み

無落雪屋根は、屋根に積った雪が3層になり、新雪が外気の温度を遮断して、新雪の下がゆっくり融けるという仕組みになっています。
融けた雪が流れていくタテ樋には電熱ヒーターを入れ、樋の内部が凍結しないようにします。

無落雪屋根の仕組み

屋根は本来、雪を滑らせて落とす役割であるのですが、逆に積ませるということですので、雪の重さに耐える構造にする必要があります。ただ形状を変えるということではないのです。
大幅に屋根部の構造を改修するという以外に、屋根の形状を利用して無落雪屋根にするという方法もあります。

最近は、軒のほとんど出ていない四角い家をよく見かけますが、雨や雪が直接外壁や窓・サッシ周辺にあたるのは、家の寿命を考ると、あまり良い環境とはいえません。
軒がある程度出ていることで、雨や雪から外壁や窓・サッシを守れるだけでなく、突然の雨に見舞われた時でも、部屋に雨が入るのを最小限に抑えることができます。

古い家を見かけたら、
伝統的な家の屋根は、なぜあのカタチなのか?
昔から建っていて現在もしっかり残っている蔵は、なぜ丈夫なのか?
と考えてみるのも、おもしろいと思います。

スノーストップルーフ・ステイルーフ

無落雪屋根にしたいけど、予算に制限がある方、
デザイン的に無落雪屋根にしたくないけど、屋根雪の心配をしたくない方へは、
「スノーストップルーフ」「ステイルーフ」という屋根をご提案しています。
この「スノーストップルーフ」「ステイルーフ」は、屋根に雪を積ませる働きをします。
完全に無落雪というわけではなく、軒先から60cm程度の雪は落ちます。
ですが、除雪の負担が大きく減ります。

無落雪屋根工事(ステイルーフ)例

融雪ヒーター

融雪ヒーターを利用して、お手軽に融雪屋根にする方法もあります。
軒先に融雪ヒーターを設置し、屋根の雪を強制的に溶かすのではなく、徐々に融雪を促します。
雪庇(セッピ)は、軒先の雪が落ち切らずにどんどん膨れ上がる状態で非常に危険ですが、軒先にヒーターを入れる事で解決できます。
この融雪ヒーターの工事は、低予算で手軽に出来ます。

【事例:弘前市稔町ルーフヒーター】
弘前市稔町の事例です。
屋根の形状から、隣の敷地へ雪が越境してしまうようでした。
高さのあるフェンスで雪の越境を防げないか?というご相談でしたが、
・高額になること
・お隣から見える景観に影響が出かねない
・適切な雪止めの設置と雪庇(せっぴ)をヒーターで溶かすことで対応可能
と判断し、ルーフヒーター(アサヒ特販製)を提案いたしました。

ルーフヒーター例