部分断熱改修のご紹介1
みなさん、こんにちは。
小田桐ただつぐです。
2025年に建築分野にて、大きな動きがあります。
それは、『木造住宅の大規模やリフォームに関する建築確認手続』という部分です。
こちらについては、順を追ってまたご紹介します。
その建築確認手続きが必要な工事が従来よりも広く捉えられていることで、工事の方法によっては建築確認が必要になる場合が多くなるものと思われます。
建築確認をクリアするために、現行の基準に合わせるため、工事の範囲が想定よりも広くなり、工事費用も高くなることもあります。
そのような問題を回避しつつ、投資対効果を得られやすい工事の一つが部分断熱改修という方法があります。
今回は、国土交通省が実験してきた、部分断熱改修について、ご紹介します。
詳細のURLはこちらです。⇒https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000259.html
部分断熱改修とは
『はじめに』のところで、効果的な部分断熱改修の箇所が端的に描かれています。
ご相談で多いものの一つに、「昔は大人数だったけど、二人になったから、使う部屋だけリフォームできないものか」というものがあります。
予算も抑えたいことも考えますと、部分断熱改修は最適だと考えます。
部分断熱改修のポイント
数回に渡って、部分断熱改修をご紹介していきますので、今回はポイントをお伝えいたします。
ポイント! 天井・壁・床を断熱材で包むように!
- 天井、壁、床は断熱材で包むように施工します。そして、防湿気密シートで気密性も高めます。
- お部屋の熱を逃がさないことが大切です。
天井、壁、床について、従来の方法と、部分断熱改修の方法と比較しながら書いていきます。
天井
(従来)
- 1階にある部屋で2階に部屋がある場合、天井に断熱材を充填しないことが多いです。
(部分断熱)
- 天井にしっかりと断熱材を充填して、お部屋から熱が逃げないように施工します。
- 防湿シートとテープで気密性も高めます。
壁
(従来)
- 外気に触れる壁(外皮)に対して断熱材を充填することが多いです。
- つまり、部屋と部屋の間、部屋と廊下の間には断熱材を充填しません。
(部分断熱)
- 壁全てにしっかりと断熱材を充填して、お部屋から熱が逃げないように施工します。
- 部屋と部屋の間、部屋と廊下の間にも断熱材を充填します。
- 防湿シートとテープで気密性も高めます。
床
(従来)
- 床下の根太の間か大引きの間に断熱材を充填します。
- 基礎断熱の場合、コンクリート基礎の外側か内側に断熱材が張られています。
- 基礎断熱の場合は部分断熱の対象外になります。
(部分断熱)
- 防風シートとテープで気密性を高めて断熱材を包むように施工します。
- 密度と性能を上げた断熱材を充填します。
開口部(窓・サッシ・ガラス)
(部分断熱)
- 開口部の性能を上げることで、劇的に断熱性能が向上したと実感できます。
- 窓(サッシ)そのものを変える方法、現在のサッシの内側に高性能の内窓を設置することなどが挙げられます。その際には、高性能のガラスであることが大切です。
吹抜け・階段
(従来)
- ひと頃流行した吹抜けがある場合、熱が逃げやすく、寒く感じることが多いです。
- 階段の位置によって、空気の流れができ、コールドドラフトなどの現象が発生することが多いです。
(部分断熱)
- 吹抜けは床かポリカ材にて閉じる方法、階段は仕切りを入れて空気の流れを遮断する方法などが良い方法です。
最後に
今回は、部分断熱改修のご紹介と概要を書いてみました。
次回も部分断熱改修の続きをご紹介します。
お楽しみに!