ヨーロッパのホテル。イメージ作りをお客様と一緒に進める。
全体的な予算という制約もあるため、中古の一軒家を購入しフルリフォームを行うという建築方針に定まった。マンションも候補には挙げたが、ピアノOK&ペットOKという条件は至難の業。マンションは断念することにした。
老後の生活も考慮し、平屋を探すことに決定。
なにも弘前に限ったことではないが、平屋の中古物件は人気がある。そのため、物件価格も割高。
不動産業のデータベースのレインズで探しながらも弘前市内の物件を探していく作業が続く。
『市街でスーパーなど買い物がし易く、バスなどの交通の便が良いエリア。しかも勤務先からそれほど離れないで。』という、極めてハードルの高い物件探しが続いていく。
物件探しから暫く月日が流れ、建匠おだぎりの社長・小田桐正はOB様の近所に平屋の空家があったことを思い出す。
「あそこなら全ての条件を満たしているんじゃないか?」
早速現地を訪れてみる。
不動産の案内板によると、県保有財産で一般入札物件で、既に入札期間が過ぎていた。
「ダメもとで、まだ買い手が付いていないか聞いてみよう。」
不動産の管理会社に電話する。
「まだ大丈夫ですよ。すぐ買い手が付くと思ったのですが、偶々入札者がいませんでした。」早速、県から書類を取り寄せ、価格や条件などの確認作業に入った。
別の日、青森市から担当の宅地建物取引主任者が来弘し、私達と物件内部の確認を行う。
床下の痛みは無い。構造もしっかりしており、狂いが少ない非常に状態がいい物件であることを確認できた。
我々も宅建免許を保有しているため、仲介となり購入の手続きを急いで進めていった。
あきらめずに探していけば、希望の物件は見つかるものであると改めて感じた瞬間だった。
03・・・最適なローンプランニング。それは。。。
物件購入に先立ち、ローンの検討に入った。
私は、財団法人住宅金融普及協会登録の住宅ローンアドバイザーであるため、最適なローンプランを検討する。
共済融資、民間銀行のローンで対象になりうるローン商品を探し出す。
金利は割高にはなるが、担保設定されないローンで、長期に渡る心理負担を減らしたかった。リフォームの内容によって優遇を受けられるものはないかという探し方をしていった。
お客様が加入していた共済の融資商品も何種類かあり、共済本部と連絡を取りながら商品の詳細を確認していく。
共済ローンの商品種類の中で、バリアフリー改修を行う場合、金利を0.3%下げるプランがあった。
この優遇金利が活用できる融資を最大限まで枠を広げて、優遇金利のメリットを最大限活かすプランを考えていく。
ローンの相談を良く受けるが、必ずといっていいほど、「私はいくらまで借りられるのでしょうか?」というものだ。
金融機関は年収により返済負担率を厳格に設定している。返済負担率と金利、他のローン利用、返済年数からかなり精度の高い融資可能額は算出できるが、私はすぐに答えることはしない。
まずは、『毎月の返済額はいくらだったら生活が無理しなくて済むのか?』というところから真剣に検討していかなければならない。住宅ローンは不測の事態も考慮し無理のない返済プランを組むのが必須だ。
しっかりと「自分の足元を見る」プロセスが住宅ローンには欠かせない。
・毎月の返済額から逆算して、いくらの融資を受けるのが妥当か?
・年収から、金融機関からの融資可能額を算出したもの
と2パターンを照らし合わせてみることで申込金額を決めていくのが良い。
お客様の場合は、自己資金比率を増やし、バリアフリー改修の融資枠を最大まで広げること、退職時に繰り上げ一括返済を行うプランで固め、融資承認を受けることができた。
これで、なんとか無事物件は購入でき、火災保険もしっかりと入った。
火災保険は代理店にどんなプランがいいのか注文をかなりつけてしまった。今回のプロジェクトから「それじゃあ最初から私が火災保険までできるようにしたほうがいいではないか?」と考えるようになり、損害保険募集人と少額短期保険募集人の勉強を急ピッチでやり募集人資格も取った。
さて、ここから具体的なプランニングが始まる。
予算は限られているが、断熱性能などは最大まで高めたい。
住宅の構造も補強をしながら強度を上げていかなければならない。
そこで、部屋によってグレードに強弱をつけ、コストパフォーマンスを上げていく作戦
また、間取りの区切りも減らしながらコストダウンを図っていく。
配管も含め、設備は全てやり直し。
こうして『リノベーション』プロジェクトが本格的にスタートしていった。
04・・・お客様から出てきた本当の思い
本格的にリノベーションプロジェクトがスタートした。
コンセプトが『ヨーロッパのホテルのような家』だった。
モダンかクラシカルか?海外旅行で泊まったホテルをイメージしてみた。
私が旅行した先は、エジプト・ギリシャ・トルコ。マレーシアにインドネシア。アメリカ。。。
明らかにお客様のイメージとは遠い。
私はマレーシアやインドネシアのバリといったリゾートホテルが大好きだが路線が違う。
シンプルでシックな色合いがお好みのようだったので、まずはモダン路線でプランニングを進めていった。
最初は共感いただいたが、何か違うご様子。
「そうですねえ。ヨーロッパのホテルでも、イギリスの田舎にあるような。。」
「B&B(Bed and Breakfast)のような感じですか?」
「だいぶイメージが近くなってきました。あと、あの子がでてくるような...。うさぎ...。」
「うさぎですか?」
「そう、ピーターラビットがでてくるようなお家がいいんです。」
ピーターラビットは残念ながら、私とは縁遠い存在だった。
シルバニアファミリーのうさぎと同じなのではないかと思っていたほどだ。
妻に話してみると、妻は好きだったらしく、幼少の頃読んでいた一冊の本を持ってきた。
妻のピーターラビットの本
イギリスのヒルトップ農場の写真もお客様から提供してもらった。

ヴォーリズ記念館(ヴォーリズ旧宅)の写真も憧れの雰囲気。

その雰囲気はみな共通しており、実はルーツがあるのではないかと思った。
「旧聖愛高校の校舎に近いんです。」
さらにお話をお伺いしていくと、
「ここまで、建築やさんにお話していいのか?と悩みましたが、見せたいものがあるのです」と切り出された。
私は何を打ち明けられるのかと思ったが、そのままを受け止めようと思った。
見せていただいたものは写真。
その写真は、お客様が幼少の頃にお住いになっていたお家。
それから、弘前市坂本町にあった聖愛の校舎の前でオシャレをしてとった1歳頃の写真。洋館の中での七五三の記念写真。
漆喰の壁に焦げ茶の床...。
お客様は幼少の頃の坂本町の聖愛を再現したいのか!
これが本当の思いだった。
「坂本町の聖愛」と言われても私には分からないが、その流れを汲んでいる歴史的建造物は弘前にはとても多い。
私は、地元弘前の洋館を訪ねる旅をすることにした。
弘前は洋館の宝庫だ。
小さい頃住んでいた時には、特になんとも思わなかった洋館。
大学から東京に住み始めて、古いものに興味を持ち、京都や奈良にも出かけるようになった。
弘前に戻ってみると、それらの洋館はとても愛おしく感じるようになった。
訪れた弘前市の洋館
05・・・工事が始まる
執筆中。。。
リノベーション現場リポート
弘前市中野の現場リポートをブログでどうぞ。弘前市中野のリノベーション現場をリアルタイムリポートしているブログページへ、ぜひ遊びに行ってみてくださいね!このリンクをクリックしてください。








