制約を「こだわり」に変える家づくり
朝、「美しさと対峙していないな」と思いながらigoogle(googleのマイページのようなもの)を見てメールチェックしていたら、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でおなじみの茂木健一郎さんのブログRSSから「美と私」が発信されていた。
横浜美術館でレクチャーするとのこと。「美に触れたい」と思っていると、セレンディピティが働くのだろうか。(茂木さん風)
横浜美術館で開催されていたのは、 「森村泰昌—美の教室、静聴せよ」展。森村さんはゴッホやフェルメールの絵画の人物に「なる」ことで有名らしい。「美とは違うだろなあ」と思いつつ、みなとみらいまで1時間。横浜美術館でチケットを購入。
フェルメールの部屋に入った瞬間、これは面白い視点だと感じた。フェルメールの作品がどのような環境で描かれればそのような絵になるのかを実際にセット を作り込んでいるのだ。被写体との距離、描いたときの感情など極めて実体験に近い形まで森村さんは知ろうとしたのだと思う。
15:00からは茂木さんのレクチャー。
題は『美と「私」 —制約を恵みに変えるために—』
大きな話の流れとしては、
生きるということは「制約」があるということ。美を扱う芸術にも制約があるが、現代美術に関しては制約を大きく超越した自由がある。手法も自由で何でもありというのが成立している。だが、同時に自由は恐ろしい世界である。自由に対して奥行きがあり、他に抜きん出た作品でなければ不変の価値として残らない。
「制約」をあきらめとしてとらえない。制約を取っ払った状態で一度様々なものを知り、見、体験する。それは「外を知る」「本物を知る」ということでもある。それらを経験した上で、自分自身を受け入れて活動したときに初めて何かを生むことができる。
ということだった。
話の中で、 建築家の隈研吾さんのことが紹介された。シャープの液晶TVのCMで使われた竹でできた建物などが有名。
彼は「負ける建築」ということをモットーとしている。
それは、建築を行う周辺の土地の環境、予算、立地など何か必ず制約を見つけた上で作品をつくるということ。
制約を味方にしている。奇抜なデザインではなく、その土地に昔からあったようなとけ込み方をする。
住まいを作るときにも同じことが言える。予算の制約がその多くを占めることが多いが、どんなライフスタイルをしたいのかを徹底的に考えることから始めてみてはどうだろうか。
- いつも家族の気配を感じる家。
- 食は生活を豊かにするから、キッチンを囲んだ家作りにする。
- 箱庭で四季折々を眺めたい。
- クラシック音楽を聴くことを追求したい。
- デザイナーズのチェアが映えるリビングルーム。
- おじいちゃん、おばあちゃんに一番やさしい間取り。
などなど。
ライフスタイルを徹底的に考えることで、設計にこだわりが生まれ、楽しい時間を家族と共有できる。
お客様で、ジョージ・ルーカスのスタジオと全く同じ比率のスタジオ空間を取り入れた住まいを作ってほしいというオーダーに応えたこともある。私も訪れたことがあるが、音響に非常にこだわっているかたで、音楽を本当に楽しんでいらっしゃる。こだわることでその方は幸せな時間を自分の住まいで実現されている。
家という大きな買い物。
値段と折り合いを付けたそこそこの作品で落ち着くのではなく、絶対的に実現したいものを考えて私達にぶつけてみてください。
小田桐正嗣




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